研究課題
本研究では化学センサと物理センサを融合した新規ウェアラブル健康管理デバイスの開発を目指している。昨年度までは、汗中のpH値、皮膚温度、心電図、さらに呼吸計測ができるフレキシブルセンサシートの開発に成功してきた。本年度は、これらセンサの安定性を解析したのち、常時バイタル計測としての実証試験を実施した。まずセンサ構造を工夫し、またセンサの配置場所及びセンサの体への貼付場所等を最適化することで常時計測においても十分な計測の信頼性及び安定性を確保することが可能であることを確認できた。特に大量に発汗した場合、心電図計測に大きな影響を与えてしまうことがわかったため、フィルム構造やセンサの配置場所などを最適化させた。またこれらセンサを無線で計測するシステム回路についても、回路図を工夫することで比較的小型のシステム(28mm角)を開発した。小型化においても全てのフレキシブルセンサの同時無線出力を可能にし、さらに活動量センサをシステム側に搭載させることで活動状況も同時に計測することが可能になった。最後にこの集積型センサシートとシステム回路を融合させることで、常時且つ多種バイタルを計測する実証試験を行い、複数の対象者から連続バイタルデータを計測できることを確認した。提案していた研究内容は、ほぼ全て終了することができたため、次の展開へ向けて汗中のグルコース濃度を安定且つ連続に計測するセンサの開発を行った。まだ無線での計測はできていないが、実際に人に貼付し、汗を計測することで汗中のグルコース濃度を常時モニタリングできることが確認できた。同時に心電図センサと皮膚温度センサを集積させ、運動時における発汗のグルコース濃度と心拍数や皮膚温度の変化を常時計測することに成功した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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