| 研究課題/領域番号 |
17H04929
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| 研究機関 | 東京理科大学 |
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研究代表者 |
村松 大陸 東京理科大学, 理工学部電気電子情報工学科, 助教 (80779140)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 人体通信 / ボディエリアネットワーク / ヒューマンインターフェース / ウェアラブル/インプランタブル / 数値電磁界解析 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は，人体通信機器のサイズや装着箇所，周波数帯といった仕様に対して，高性能・低消費電力な機器の設計指針を示すことである． 2018年度は，前年度までに開発した電磁ファントムおよび数値人体モデルに加えて実人体による被験者実験を行い，「設置型機器を含む人体通信」についてより実用的なレベルの電磁界解析と実験評価を進めた．具体的には，受信機回路側から見込んだ人体および空間の容量結合インピーダンスや送信機回路を，単一の等価出力インピーダンスと等価信号源電圧によってモデル化可能なことを示した．さらに実使用を考慮して，ユーザの姿勢変化と等価回路モデルにおける各パラメータの対応関係を評価し，等価信号源電圧の振幅に対して支配的な伝送経路のインピーダンスを明らかにした上で，姿勢の影響を考慮した受信回路設計が必要であることを示した．これらの成果を踏まえ，さらに拡張的な人体通信の利用形態として「複数ユーザを伝送路とする人体通信」についても検討を進めた．特に，二体の全身詳細人体モデルを導入したFDTD法による数値電磁界解析を利用し，ユーザ周囲の電界分布および各ユーザが装着した送受信機間の伝送特性を明らかにした．この検討により，2019年度にはさらに統合的な利用形態を前提とした人体通信システムの物理層評価および設計が可能となり，本研究の目的である人体通信物理層の設計指針確立に向けて大きく前進したといえる．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
体内埋込型医療機器等を対象としたインプランタブル環境の人体通信については，インプランタブルセンサによる生体信号計測に適した部位の検討や，電磁曝露の影響評価に時間を要し，物理層の特性評価や機器設計にはやや遅れが生じている．しかし検討過程で，人体通信用の電極を用いて生体からの電磁応答を測定することにより複数の生体信号を検出可能なことが明らかになった．このため，生体信号計測というアプリケーション面まで考慮すると極めて大きな進捗があり，全体として研究は順調に進んでいる．
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| 今後の研究の推進方策 |
2019年度は，前年度までに開発したファントムや数値人体モデル等のツールを用いて，ウェアラブル/インプランタブル両環境を対象とした人体通信システムの伝送メカニズム解明，等価回路モデリング，通信特性等，物理層の検討を行う．加えて，2018年度の研究成果から実現可能性が高まった二種類のバッテリレス人体通信（エネルギー伝送式および環境発電式）についても検討を進める．得られた結果については，前年度までの計画として遂行した「設置型機器を含む人体通信」を対象とした研究成果とあわせ，より統合的な人体通信システムの物理層設計に役立てる．
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