研究課題
最終年度の2020年度は、主に最終遂行項目である「体系化とツール実装」に取り組んだ。ツール実装に関しては、バイオ医薬品の注射剤製造工程を対象に、シングルユース・マルチユースの選択支援アルゴリズム実装を進めた。前年度までに構築したプロトタイプ版をベースに、入力値の変更や感度解析を実施するための機能を追加した。低分子医薬品の固形剤製造工程についても、プロセスの選択支援アルゴリズムを実装した。約1万通りの単位操作をスーパーストラクチャとして構造化し、臨床開発から実生産までの長期的経済性を、不確実性も含めて評価できるようにした。本ツールについては、インターフェースの操作性も含めて、実用に耐えられるレベルに仕上げた。プロセス設計手法の体系化については、固形剤製造工程を対象に、アクティビティ・モデリング手法IDEF0を用いた分析を行った。上記ツール等、これまでの研究で得られた知見を新規メカニズムとする、新しいプロセス設計の流れを定義した。シミュレーションと実験の連携を強化することで、より包括的・効率的な設計が可能になることが示された。このほか、原薬のフロー合成や、iPS細胞の凍結等を、研究期間中に新たな対象として含め、数理モデルの構築や設計手法の構築に取り組んだ。iPS細胞の凍結に関する研究は、2020年度に挑戦的研究(萌芽)「iPS細胞の凍結プロセスを革新するマルチスケール設計基盤」として採択され、新たな展開を迎えている。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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