研究実績の概要 |
レーザー誘起蛍光法の実験系をマイクロ波カソードへ適用する。 CW外部共振器レーザから出た光は複数に分岐され, 真空チャンバには光ファイバフィードスルーを通じて内部に導入される. 真空チャンバでは測定対象のカソードが設置されており, レーザ光をプルームに照射する. 以下の原理によって速度は求められる. ①プラズマ中の電子のエネルギー準位間に等しい波長のレーザをプラズマに入射することで, 電子を上準位に励起させる. ②上準位に励起された電子が, 違う波長の蛍光線を出し, 他の準位に落ちる. ③この蛍光線は, 粒子の速度に依存して波長がシフトする. (ドップラーシフト)放電管の蛍光線との波長シフトを求めることで粒子の速度を求めることができる. 研究の第一ステップとして、834.7 nmのレーザを用いて誘起させ, 541.9 nmの蛍光線を検出する. 既に申請者が若手研究(B)において、実績をあげており、励起準位であるものの誤差±10 m/s程度の精密なイオン速度関数が測定可能である。同時に予備実験として、翌年度取り組む、2光子レーザ誘起蛍光法の波長の選定を行う。先行研究では、複数の研究チームが基底状態の中性粒子の測定に成功しており、波長は224 nmから256 nmにまたがる。このなかで適切な波長を、選定する。選定には、角田宇宙センターに設置された色素レーザを借用し、Xe管を持ちこみ測定する。また基底状態のイオンは先行研究の前例がなく、ハイリスクハイリターンである。イオンの基底を2光子で励起するには、レーザが発信可能な220 nmを第1候補とし、色素をレーザと同時に購入する。
上記計画を実施し、現在レーザで測定系を構築し、検出を試みている最中である。
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