研究課題
平成30年度に実施した基礎試験データを基に設計したシステムの開発を引き続き進めた。当初計画通り、実海域で使用可能なように、ソーナーシステムを改造し、制御部用の耐圧容器を開発し、組み込み試験を実施した。また、実利用に向けて、開発したソーナーの基本特性(音場)を計測し、音の集束範囲などが設計時に実施した理論計算とよく一致していることを確認した。さらに、アレイ信号処理プログラムと信号可視化プログラムを開発し、堆積物中の3次元の音響画像作成が可能となった。模擬堆積物に埋没させたアサリが検出できることを確認した。また、イギリスのサウサンプトン大学国立海洋研究センターと当研究に関連する共同研究を新たに開始し、環境制御水槽とソーナーシステムを用い、音響による堆積物中の可視化実験を実施した。ソーナーシステムによって、堆積物中の5 mm程度の微小な2枚貝や巻貝の動きを把握することが可能であることが示された。これらの成果は、海洋環境、特に海底下の堆積物中の環境動態を把握する際に有効に活用される。またフランスの国立科学研究センターと継続していた共同研究も進展があり、均質化法を用いることで従来大きな課題となっていた、コンピュータの計算負荷を著しく抑えた音波伝搬シミュレーションが可能となった。今後のソーナーシステム設計時に役立つものと期待される。また同様に、当初の目的であった二枚貝などの水産資源量の定量評価や海底下に埋没された海底ケーブルの保守管理などにも応用可能であり、本研究で開発したシステムの実用化に向けた取り組みが必要である。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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IEEE journal of Oceanic Engineering
巻: - ページ: -
10.1109/JOE.2020.2983865
巻: - ページ: 1-10
10.1109/JOE.2019.2938717
Proceedings of MTS/IEEE OCEANS’19
巻: - ページ: 1-6
10.1109/OCEANSE.2019.8867525