研究課題
若手研究(A)
化合物半導体からなる太陽電池は高効率が期待できる反面、高コストであることが課題であった。この問題に対して、結晶成長時にGaAs基板上に疑似格子整合するInGaAs/GaAsP体重量子井戸層を介して太陽電池を形成し、この多重量子井戸が選択的に赤外線を吸収する性質を利用して、波長1064nmのレーザー光照射によるドライプロセスによって太陽電池層と基板を剥離する赤外線レーザーリフトオフ(IR-LLO)技術を提案し、基礎研究を行った結果、数mmサイズの小規模ながら剥離工程が確認された。
半導体工学
本研究によって、GaAsからなる太陽電池がレーザー光を用いたドライプロセスによって剥離加工が可能であることが示された。この結果は宇宙用として用いられる化合物半導体からなる超高効率太陽電池のコスト低減と生産性の向上に寄与することができる。そのため、今後はSi結晶による太陽電池に代わり、地上応用へ向けて高効率多接合太陽電池市場の拡大に資することが期待される。