鉄系超伝導(FeSe0.5Te0.5 (FST))薄膜、及び銅酸化物高温超伝導(YBa2Cu3Oy(YBCO))薄膜へ比較的低エネルギーでイオン照射を行い、照射前後の超伝導特性、及び形成される結晶欠陥との関係を調べた。FST薄膜にAuイオンを6 MeVで照射することで、臨界電流密度Jcは自己磁場下(0 T)で低下せず、10 K、9 T(B//c)でJcが70 %上昇した。また、YBCO薄膜への10 MeV Auイオン照射により、4 T以上で、Jc(30 K)が約40 %向上することが確認された。これらの結果から、低エネルギーイオン照射は磁場中Jcを向上させるのに有効な手法であると考えられる。
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