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2019 年度 実績報告書

新規順行性神経標識法の確立と、それを用いた記憶神経ネットワークの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17H04984
研究機関京都大学

研究代表者

平野 恭敬  京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (40580121)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード順行性神経標識 / ショウジョウバエ / 神経回路
研究実績の概要

これまでの様々な技術の発展から、遺伝学的、および生化学的に複雑な脳神経回路が解き明かされてきた。一方で、記憶に代表されるような、限られた記憶神経が司る神経ネットワークを理解するためには、シナプス間結合のある神経のみを標識し、それらを操作する方法論の樹立が必要不可欠であるが、そのような試みはされてこなかった。本研究では、記憶に関わる特定の神経がシナプス接続する神経を、順行性に標識する手法を確立することを目標とした。
方法論として、細胞表面の受容体であるNotchを用いた人工タンパクを取り入れた。Notchは隣接する細胞の膜表面で発現するDelta等のNotchリガンドと結合する。Deltaとの結合により、Notchはγセク レターゼによる切断をうけ、Notchの細胞内ドメインが遊離する。Notchの改変を行うことが可能で、細胞外ドメイン(受容部)をラクダ由 来の重鎖のみの特殊な抗体であるNanobody(CD19タンパクを認識する抗体)と置換し、さらに細胞内ドメインを転写因子Gal4 と置換した。これを活用し、CD19を細胞表面に提示する細胞を隣接させると、CD19 と抗CD19 Nanobodyが結合することでNotchが切断され、Gal4依存的な蛍光タンパクの発現が誘導される。この人工タンパクをin vitroで最適化し、ショウジョウバエを用いて順行性のシナプス標識を実現させた。以上のように本研究で、順行性神経標識法という新規手法を確立した。今後、本手法を用いて特定のシナプス接続に焦点を絞った解析を進めていくことで、脳神経回路の更なる理解に発展させる。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The neural circuit linking mushroom body parallel circuits induces memory consolidation in Drosophila Sci U S A , 116 (32), 16080-16085 2019 Aug 62019

    • 著者名/発表者名
      Hiroko Awata, Mai Takakura, Yoko Kimura, Ikuko Iwata, Tomoko Masuda, Yukinori Hirano
    • 雑誌名

      PNAS

      巻: 116 ページ: 16080, 16085

    • DOI

      10.1073/pnas.1901292116

    • 査読あり
  • [学会発表] ショウジョウバエHDACによる非ヒストンタンパクの脱アセチル化を介した遺伝子発現誘導の時間制御2019

    • 著者名/発表者名
      Mai Takakura, Yukinori Hirano
    • 学会等名
      日本神経科学学会

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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