本研究では、筋萎縮性側索硬化症(ALS)において、小胞体とミトコンドリア間の膜接触領域(小胞体・ミトコンドリア膜間領域; MAM)の破綻が普遍的な病態であるという仮説の検証を行った。我々はMAMtrackerと名付けた新規のレポーター分子を作製し、多くのALS原因遺伝子によってMAMが破綻することを明らかにした。さらに、MAMの破綻によって、ALSの原因遺伝子産物でもあるTANK結合キナーゼ1(TBK1)の活性が著しく低下し、その原因はストレス依存的なMAM特異的ユビキチン化が障害されるためであることを明らかにした。本研究は、今後MAMを標的としたALS治療法開発の基盤となると考えられる。
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