男性不妊の原因の1つとして精子運動性の低下があり、その原因遺伝子がいくつか報告されている。これらの遺伝子は精子鞭毛の運動性だけでなく、気管や脳室などに存在する繊毛の運動性にも関わっているため(原発性繊毛運動不全症)、ノックアウト(KO)マウスが生後致死になり、成熟精子における遺伝子機能解析が難しいという問題点があった。本研究では、(1)ミトコンドリアが蛍光を示すES細胞を樹立した。続いて、(2)ES細胞を用いてキメラマウスを作製することにより生後致死を回避し、原発性繊毛運動不全症の原因遺伝子であるHydinの機能を解析した。
|