CRISPR/Cas9によるゲノム編集は、標的配列特異的なgRNAがヌクレアーゼであるCas9を誘導し、標的DNAが切断されることで達成される。切断されたDNAの修復反応には、HDRとNHEJがある。このうち、組換えを介して鋳型DNAの配列通りに編集が起きるHDRは、正確なゲノム編集に特に有益であるが、その頻度はNHEJに比べて低い場合が多い。 本研究で我々は、Cas9やgRNAの改変によって、Cas9-gRNA複合体がDNAに結合する様式を変化させることで、HDR誘導活性が亢進することを明らかにした。この傾向は、HEK293T細胞、HeLa細胞、ヒトiPS細胞の全てで観察することができた。
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