研究実績の概要 |
本年度は以下の2つの主要テーマについて進めた。 1. ダイニン複合体の細胞皮層局在化とその制御機構の解明 2. 皮層モーターの光操作による、紡錘体配置、娘細胞サイズの操作 まず光操作によるNuMAの局在化をつうじて、NuMAがLGNやGaiに非依存的にダイニン、ダイナクチンを局在化させ、紡錘体牽引力の生成に十分であることを実証した。さらにNuMAのN末端に保存されたSpindly-like motifを発見し、NuMAがその他のダイニンアダプター同様に、spindly-like motifを介してダイニン、ダイナクチンを局在化かつ活性化させているとのモデルを提唱した。さらに光操作の実験から、紡錘体極からの距離に依存してNuMA-ダイニンの結合が負に制御されるという、以前私たちが提唱したモデル(Kiyomitsu and Cheeseman NCB 2012)を支持する結果が得られた。さらにPlk1キナーゼのリン酸化コンセンサス部位にリン酸化を模倣した変異を導入したNuMA変異体を光操作すると、ダイニンを局在化させることができなくなった。以上の結果から、Plk1によるNuMAのリン酸化がダイニン-NuMAの結合を制御している可能性がより強く示唆された。上記の一部を論文としてまとめ、bioRxivに投稿した。 Okumura M., Natsume T., Kanemaki MT., Kiyomitsu T.* Optogenetic reconstitution reveals that Dynein-Dynactin-NuMA clusters generate cortical spindle-pulling forces as a multi-arm ensemble. bioRxiv, doi: https://doi.org/10.1101/277202 (2018)
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