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2017 年度 実績報告書

受精後刷り込みメチル化を誘導する生殖細胞エピゲノム情報の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17H05012
研究機関筑波大学

研究代表者

松崎 仁美  筑波大学, 生命環境系, 助教 (50436242)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードエピジェネティクス / ゲノム刷り込み
研究実績の概要

哺乳類の「ゲノム刷り込み」現象では、特定の遺伝子が、父親と母親のどちらか一方から受け継がれたアリルのみしか発現しない。この片アリル性発現は正常な発生・成長に必須で、その破綻はヒト疾患の原因となる。しかし、制御の基盤となるアリル識別の分子メカニズムの詳細は解明されていない。刷り込み遺伝子座では、精子または卵子の一方のみでDNAメチル化され、受精後も片アリルのみでメチル化される領域(imprinting control region: ICR)が同定されているため、DNAメチル化が親の由来を示すエピゲノム情報の本体であると考えられてきた。しかし我々の先行研究において、生殖細胞で付加されるDNAメチル化以外の情報が、受精後のアリル特異的DNAメチル化の形成に寄与することを示唆する結果を得た。そこで、本研究は、親の由来を示す生殖細胞エピゲノム情報を同定し、その制御メカニズムの解明を目的としている。
我々の作製したトランスジェニックマウスにおいて、導入したICR配列(Igf2/H19遺伝子座の「H19 ICR」)は、内在遺伝子座配列とは異なり精子でDNAメチル化されなかったが、受精後は、内在配列と同様に父由来のみでメチル化された。したがって、内在および導入H19 ICR配列は、DNAメチル化状態にかかわらず、生殖細胞で共通のエピゲノム情報が付加されて、受精後のアリルの識別に使われている可能性が高い。そこで、トランスジェニックマウスと野生型マウスの精子におけるクロマチンの状態を、クロマチン免疫沈降法により解析した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ごく最近発表された報告の内容から、対象とするクロマチン修飾の種類を追加して検討するべきであると判断した。同解析に必要なトランスジェニックマウスを追加交配により準備した。

今後の研究の推進方策

野生型マウスとトランスジェニックマウスの精子のクロマチン状態の比較検討を進める。さらに、すでに作製済みの内在H19 ICR変異マウスについても解析し、受精後のアリル識別のマークとなり得るクロマチン修飾を同定する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Imprinted gene expression can be reconstituted by synthetic DNA fragment composed of specified cis regulatory elements from the H19 ICR2018

    • 著者名/発表者名
      Matsuzaki, H., Kuramochi, D., Hirakawa, K., and Tanimoto, K.
    • 学会等名
      Keystone Symposia (Gene Control in Development and Disease)
    • 国際学会
  • [学会発表] 人工刷り込み制御配列によるゲノム刷り込みの再構築2017

    • 著者名/発表者名
      倉持大地、松崎仁美、牛木亜季、谷本啓司
    • 学会等名
      第64回日本実験動物学会総会

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公開日: 2021-12-27  

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