研究課題
研究計画2年目の本年度はGC/MS(ガスクロマトグラフ/質量分析計)を用いた特定アミノ酸の誘導体化法の開発およびスペクトル解析に注力し、毛髪や爪を構成する主要タンパク質であるケラチンの要素であるアミノ酸等を対象にいくつかの手法を開発した。さらに本年度からキャピラリー分取システムをGC/MSに新たに接続し、個別化合物を単離する手段を得た。この単離法およびその後のステップである精製法の最適化を現在検討中である。欧州からシベリア・東アジアを含む広大な地域の古人骨の収集が進んでいる。特に欧州やバイカル湖周辺の地域の資料が充実しており、骨コラーゲンの抽出も順調に進んでいる。バルクの骨コラーゲンの安定同位体分析や放射性炭素年代測定はほぼ終了しており、それらの資料は次の段階である化合物単位での同位体分析を待つ状態にある。海外の機関との共同研究も進めており、研究計画中で必要となる動物試料の準備や分析機器類の整備を順次推進している最中である。
2: おおむね順調に進展している
個別化合物単位での安定同位体分析に必要な分取システムを無事導入することができた。これにより計画に必要な分析機器類が一通り揃った。最終的な分析対象である古人骨資料は昨年度に引き続き収集を継続しており、コラーゲン抽出等のルーチン作業は滞りなく進んでいる。
現代人試料(頭髪・爪)および共同研究者から譲渡された動物試料の分析をさらに推進する。一通り分析が完了し次第、古人骨等の考古資料の分析も開始する。これらの考古資料は引き続き収集・整理作業を継続する。
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Scientific Reports
巻: 9 ページ: 4433
https://doi.org/10.1038/s41598-019-41033-3