昨年度に引き続き,当初の計画通り合成展開によるリード化合物の最適化を進めた(計画書の実験②-1~4).具体的には,昨年度選抜したリード化合物に関して,主活性・選択性の向上,溶解度・logP等の物性の改善,特許化(広いクレーム)を考慮して合成展開を行い,島根大学と連携して誘導体を合成した. 合成した誘導体は,JHスクリーニング培養細胞系を用いて,濃度依存的な抗JH活性を評価した.また,細胞系で活性が高い誘導体に関しては,昆虫個体を用いて活性を評価し,構造活性相関を検討した.その結果,昆虫個体でも活性が確認され,抗JH活性を示すために必須な基本構造を明らかにすることができた. さらに,これらのリード化合物がJH受容体に直接作用する競合アンタゴニストなのか非競合アンタゴニストなのか調べるために,用量-反応曲線を用いた薬理学的な解析を行った.その結果,大多数の化合物において,JHの用量-反応曲線が右にシフトしたことから,競合アンタゴニストであることが明らかになった(特許申請のため,化学構造等の詳細は未記載).
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