本研究では腸内細菌における生合成機構の解明に取り組んだ。腸内細菌におけるプラズマローゲンは、エタノールアミン型プラズマローゲン(PlsEtn)であること、そのうち上位10種の分子種が全PlsEtnの約90%を占めていること、sn-2位に多価不飽和脂肪酸が結合したPlsEtnは見られないことを明らかにした。 また、いずれの株でもΔ1'-desaturaseホモログ遺伝子は見い出せず、ジオレオイル型ホスファチジルエタノールアミン添加時にも、プラズマローゲン組成の変化は見られないこと、菌体内PEとPlsEtnの分子種の分布に相関性が低いことなど生合成経路がヒトとはことなることが強く示唆された。
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