研究課題
2019年度は、リロングウェ(マラウイ)、マプト(モザンビーク)、タマレ(ガーナ)、クマシ(ガーナ)における世帯調査による一次データの収集を行った。各都市では、2018年度にアクラとナイロビでデータ収集を行った際に使用した正確なサンプリングと調査手順を用い、500~700件の世帯調査を行った。世帯調査の回答者の無作為化を確実にし、調査地域の都市人口の代表的なサンプリングを行うため特別な注意を払った。データ収集は各調査地域で適切な訓練を受けた戸別訪問調査員により、タブレット機器を使用して行われた。すべての調査地の世帯調査データを含むデータベースを作成し、データ・クリーニングの処理を行った。データの一部については、適切なデータ分析手法を行うための予備分析を行った。また、ガーナの4つの都市(アクラ、タマレ、クマシ、ワ)における食遷移の駆動因と影響を検証するため、これらの都市のステークホルダーに対して14件の専門家インタビューを行った。この情報は、世帯調査データのパターンを把握し、今後の出版物の構成を組むために重要である。研究代表者は、2020年秋にSpringer出版社から出版予定の“Sustainability Challenges in Sub-Saharan Africa” の2巻シリーズの編集を終えた。本書では、食遷移は食糧安全保障、環境悪化、健康、気候変動適応など持続可能性に係る複数の問題に関連し、そのため食遷移の課題が、いかにアフリカにおける持続可能性にとり重要であるか述べている。さらに、"Dietary dietary transitions and sustainabilty: current patterns and future trrajectories"に関する特別号が2021年秋にSpringer社のSustainability Scienceから出版されることが承認された。
3: やや遅れている
予算の削減により当初の計画にあった全都市でのデータ収集を行うことはできなかったが、主要な都市(リロングウェ、マプト、タマレ、クマシ)のデータ収集を完了することができた。また多少の遅れはあったが、検証のために必要な情報はほぼ収集され分析の準備はできている。
異なる調査都市から得たデータセット全体を分析するために、異なる統計ツールを使用する。また膨大な情報量の分析を行うため、様々な視覚化ツールを利用し、調査結果を効果的に分析する。ガーナの複数の利害関係者に対してさらなるインタビューを行い、食遷移の駆動因と影響をより検証し、統計分析(上記参照)を通じて世帯調査で特定されたパターンをさらに解明する予定である。出版に関してはSustainability Science Journalの特別号「Dietary transitions and sustainability: current patterns and future trajectories」の編集を行う予定である。さらに、調査したアフリカの都市で収集したデータに基づき、2~3件の査読論文を執筆する。
すべて 2020 2019 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 図書 (2件) 備考 (1件)
Environmental Research Letters
巻: 15 ページ: 024020
https://doi.org/10.1088/1748-9326/ab63e2
Sustanability Science
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https://doi.org/10.1007/s11625-019-00742-4
http://www.gasparatos-lab.org/