研究課題
本研究では、チャネルの開閉と連動した集合離散現象とチャネル機能との関連を分子レベルで明らかにするため、高速原子間力顕微鏡と電気生理の同時計測システムを開発する。構築したシステムを用いて、膜電位依存性カリウムチャネルの電位依存的開閉ダイナミクスや協同性を直接観察し、さらにチャネルの集合離散動態とイオン透過機能との動的相関を解明することを目的とした。探針走査型高速AFMと電気生理の同時計測系を開発し、チャネルのナノ構造と機能を観察する計画であったが、作製した探針走査型高速AFMが安定動作しなかった。よって方針を変更し、探針走査型高速AFMを、動作が安定な試料走査型高速AFMへ作り替えた。脂質膜中の電位依存性Na+チャネルを試料走査型高速AFMで計測すると、4つの粒子が四角に集合したポアドメイン(PD)の構造が観察された。その周囲にはより小さな粒子が密着しており、これは電位センサードメイン(VSD)と考えられる。電位依存性を変化させた変異体ではVSDらしき粒子がPDから解離しており、電位依存性に関連した分子内モチーフの会合・解離を発見した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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