探針走査型高速AFMと電気生理の同時計測系を開発し、チャネルのナノ構造と機能を観察する計画であったが、作製した探針走査型高速AFMが安定動作しなかった。よって方針を変更し、探針走査型高速AFMを、動作が安定な試料走査型高速AFMへ作り替えた。脂質膜中の電位依存性Na+チャネルを試料走査型高速AFMで計測すると、4つの粒子が四角に集合したポアドメイン(PD)の構造が観察された。その周囲にはより小さな粒子が密着しており、これは電位センサードメイン(VSD)と考えられる。電位依存性を変化させた変異体ではVSDらしき粒子がPDから解離しており、電位依存性に関連した分子内モチーフの会合・解離を発見した。
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