研究課題
若手研究(A)
脳には血糖値の増減をモニターして、血糖値が上がったら下げるよう指令を出す神経細胞があります。この神経細胞をグルコースセンシング神経と呼びます。肥満するとグルコースセンシング神経の働きが弱まり、糖尿病の発症に関与します。本研究はなぜ肥満がグルコースセンシングの機能を低下するかを研究しました。その結果、肥満がグルコースセンシング低下させる原因となるタンパク質を発見し、そのタンパク質の脳内投与が肥満による血糖値の上昇を抑制することを明らかにしました。
代謝学
肥満は糖尿病の原因としてよく知られています。現在までに様々な研究が行われ、なぜ肥満が糖尿病の発症に関与するか調べられてきました。しかし、その多くは筋肉、肝臓、脂肪組織などの末梢臓器に着目して研究が進んできました。一方で、脳の研究は末梢臓器ほど進んでいません。この研究成果は脳による血糖値のモニタリングという特殊な機能について、その分子メカニズムを明らかにしたものです。今回発見したタンパク質を利用して糖尿病の治療薬を開発することが期待されます。