本研究では、ヘルペスウイルスによる誘導される宿主細胞因子におけるリン酸化の役割を解析した。その結果、(i) TLR3/mTOR経路がマウスの中枢神経系組織におけるHSVに対する初期免疫応答に貢献していること、(ii) MAPK/ERKシグナル経路が全てのヘルペスウイルスファミリーの代表的なメンバーにおけるウイルスの細胞間感染に関与することを見出した。これらの結果は、ヘルペスウイルスの生活環に宿主細胞因子におけるリン酸化が重要な役割を担っていることを解明しており、新しい抗ウイルス戦略構築の一助になると考えられる。
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