本研究の目的は、循環器ビッグデータを用いて機械学習およびコグニティブコンピューティング等の人工知能応用技術を利用し、あらゆる診療情報をもとに、心筋梗塞発症の精緻な予測を目指すことである。すでに電子カルテや部門システム等からのデータを自動抽出することに成功していたが、所属機関の建替・移転に伴い電子カルテシステムが新しく入れ替えられ、移転後の新システムにおいてデータを抽出するための見直しが必要となった。新システムにおいても日常の臨床で得られたデータの自動抽出を可能にするため、旧システムと新システムとのマッピングを行い、プログラムの修正を行った。その後、予測因子の探索および心血管疾患発症に関する予測モデルの検討を行った。また、性差についても検討を行った。 本研究により、人工知能による情報の自動抽出、因子間の関係性の探索、予測精度向上という、最小の予測因子の違いで良好な結果を予測可能にするアルゴリズムを提案することができた。
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