炎症抑制能をもつ新規腸管上皮内細胞の遺伝子制御の解明

2020 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 17H05082
• 研究種目: 若手研究(A)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 消化器内科学
• 研究機関: 慶應義塾大学
• 研究代表者: 筋野 智久 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (40464862)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2020-03-31
• キーワード: 炎症性腸疾患

研究成果の概要

腸管上皮における免疫細胞においては特にCD4CD8aaT細胞という抑制系のT細胞が存在することが明らかになった。さらにTregから一部分化することをこれまでに示したが、その細胞分化に重要な因子については不明であった。CD4CD8aa細胞における分化に必要な特徴的な遺伝子と同定し、関連性を証明した。さらにヒト炎症性腸疾患患者においても同じ遺伝子群がCD4CD8aaT細胞に関与していることを示した。

自由記述の分野

炎症性腸疾患

研究成果の学術的意義や社会的意義

これまで腸管上皮におけるCD4 T細胞については研究が少なかった。マウスモデルにおいてはCD4CD8aa T細胞という腸管上皮内にしか存在しないユニークな細胞集団が腸管上皮のホメオスタシス維持に重要であることが示されており、炎症抑制に同細胞を誘導することが重要であるとされる。しかしこれまで分化に必要な因子、メカニズムは不明であった。そこで、今回同細胞を誘導するのに重要な因子を見つけることで、今後の炎症性腸疾患治療の可能性が期待される。