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2019 年度 実績報告書

リソソーム蓄積病とオートファジー病の病態の包括的理解と治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17H05088
研究機関川崎医科大学

研究代表者

大友 孝信  川崎医科大学, 医学部, 教授 (20742589)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードリソソーム蓄積症 / オートファジー
研究実績の概要

リソソームは細胞小器官(オルガネラ)のひとつで、リソソーム酵素により様々な基質を分解している。リソソームはオートファジーにより細胞内から運ばれる物質やエンドサイトーシスで細胞外から運ばれる物質の分解に寄与している。リソソーム病はリソソーム酵素欠損により引き起こされる遺伝性の疾患であり、その病態メカニズムはリソソーム酵素による分解能の障害のみならずオートファジーやエンドサイトーシスといったリソソームを中心とした細胞内小胞輸送・分解系の障害として包括的に理解することが必要である。本研究では、リソソーム酵素のみならずリソソーム機能に関連する遺伝子群の網羅的なノックアウトによりリソソームと細胞内小胞輸送の障害の共通点をあぶり出すことを目的としている。
本年度までにセルラインでの遺伝子ノックアウト系列はほぼ完成し、約30種類のノックアウト細胞系列に関して解析を行った。既に着手していたオートファジー機能の解析においては、一部のライソゾーム酵素欠損細胞においてのみ明らかな障害が認められ、これは既報とは異なる結果であった。また、電子顕微鏡において形態を観察したところ、ノックアウト細胞系列でのリソソームの形態異常は患者細胞においてこれまで報告されてきたリソソーム蓄積像と共通する姿をしており、さらにノックアウト細胞系列でのオートファジーの障害と形態学的な異常には相関が見られた。オートファジーの障害が脂質の蓄積と関連することが前年度までに示唆されていたため、ノックアウト細胞系列の脂質を薄層クロマトグラフィーで検討したところ、一部の細胞で変化が見られた。これを定量的かつ体系的に評価するため、質量分析機を用い、リソソーム病に特化した脂質蓄積の解析系を確立した。これらの成果から、リソソーム病の病態の一部が明らかになり、さらにリソソーム機能の解析に有用なツールの樹立が出来たと考えられる。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Starvation-induced autophagy via calcium-dependent TFEB dephosphorylation is suppressed by Shigyakusan2020

    • 著者名/発表者名
      Ikari Sumiko、Lu Shiou-Ling、Hao Feike、Imai Kenta、Araki Yasuhiro、Yamamoto Yo-hei、Tsai Chao-Yuan、Nishiyama Yumi、Shitan Nobukazu、Yoshimori Tamotsu、Otomo Takanobu、Noda Takeshi
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 15 ページ: e0230156

    • DOI

      doi: 10.1371/journal.pone.0230156

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Mucopolysaccharidosis-Plus Syndrome2020

    • 著者名/発表者名
      Vasilev Filipp、Sukhomyasova Aitalina、Otomo Takanobu
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 21 ページ: 421~421

    • DOI

      doi: 10.3390/ijms21020421

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Biallelic VPS35L pathogenic variants cause 3C/Ritscher-Schinzel-like syndrome through dysfunction of retriever complex2019

    • 著者名/発表者名
      Kato Kohji、Oka Yasuyoshi、Muramatsu Hideki、Vasilev Filipp F、Otomo Takanobu、Oishi Hisashi、Kawano Yoshihiko、Kidokoro Hiroyuki、Nakazawa Yuka、Ogi Tomoo、Takahashi Yoshiyuki、Saitoh Shinji
    • 雑誌名

      Journal of Medical Genetics

      巻: 57 ページ: 245~253

    • DOI

      doi: 10.1136/jmedgenet-2019-106213

    • 査読あり
  • [学会発表] Understanding pathomechanisms of lysosomal storage disorders with cellular models using genome-editing technology2019

    • 著者名/発表者名
      Takanobu Otomo,Yukiko Kawakami, Filipp F. Vasilev, Junko Matsuda
    • 学会等名
      米国先天代謝異常学会
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] INVESTIGATION OF THE PROTEIN STABILITY OF VPS33A, A RESPONSIBLE MOLECULE FOR MPSPS2019

    • 著者名/発表者名
      Vasilev F., Kawakami Y., Otomo T.
    • 学会等名
      日本ライソゾーム病研究会
  • [学会発表] ライソゾーム関連遺伝子ノックアウト細胞における形態学的考察2019

    • 著者名/発表者名
      川上 由貴子、Filipp Vasilev、大友 孝信
    • 学会等名
      日本ライソゾーム病研究会

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公開日: 2021-01-27  

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