研究課題
若手研究(A)
アルツハイマー病(AD)は先進諸国を中心に多くの罹患者がいるが,その診断・治療法は未だ確立されていない.Aβオリゴマーの生成,タウ凝集体の蓄積,神経細胞死に対応した診断法の確立は,ADの進行段階に応じた治療を行う上で重要であり,患者のQOLの維持,向上につながると考えられる.今後の患者数の増加を考慮し,多数の画像診断によるAD検査を可能にするため,PETに比べて汎用性に優れたSPECT用プローブの開発研究を行った.その結果,特にタウ凝集体について、高い結合性と優れた脳内挙動を示す新規母格(ピリドイミダゾピリミジンおよびベンゾイミダゾピリミジン)を見出すことに成功した.
放射性医薬品学
SPECTは, 用いる標識核種の物理学的半減期が長く,検査施設もPET施設の10倍程度存在することから,PETよりも汎用性に優れた臨床核医学診断を可能にする.Aβオリゴマーの生成,タウ凝集体の蓄積,神経細胞死という AD の進行の段階に応じて診断・ 治療効果判定を行うことができる SPECT プローブの開発を行うことで,AD の汎用性の高い診断 法の確立のみならず,治療薬開発における患者選定,治療効果判定への貢献が期待できる.