研究課題/領域番号 |
17H06099
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
胡 振江 国立情報学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 特任教授 (50292769)
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研究分担者 |
吉川 正俊 京都大学, 情報学研究科, 教授 (30182736)
鬼塚 真 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (60726165)
石原 靖哲 南山大学, 理工学部, 教授 (00263434)
日高 宗一郎 法政大学, 情報科学部, 教授 (70321578)
加藤 弘之 国立情報学研究所, アーキテクチャ科学研究系, 助教 (10321580)
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研究期間 (年度) |
2017-05-31 – 2022-03-31
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キーワード | ソフトウエア / 双方向変換相互運用 / 自律分散データ / プログラミング |
研究実績の概要 |
平成30年度は、研究目標に沿「深化」「基盤」「実証」の3チームが連携しながら研究を進めてきた。 深化チームは、実用的で記述しやすい双方向変換言語を実現するとともに、正しく効率のよい双方向変換を開発できる環境を構築した。具体的には、よく利用されている関係データなどを対象とし、Datalogを用いて双方向変換を定義する枠組みBIRDSを提案し実現した。これにより、データの制御・統合・協調が記述しやすくなり、漸進的更新伝搬におけるソース参照の削減による効率的な実現手法ができるようになった。また木構造データの問合せ言語のための形式的木変換器モデルに対し、等価性判定を行うプログラムを実装した。 基盤チームは、データ相互運用のための基盤システムとして、Dejimaというプロトタイプの開発を行った。またDejimaアーキテクチャにおけるデータの利用権の検証を足がかりとして、Dejimaアーキテクチャの形式化を行い、相互更新の衝突や矛盾・非停止性などを検出する方法を提案した。更にRDBMS・NoSQLのデータソースを統合するスキーママッピングの定式化、関係ビュー更新ストラテジーから自動生成される関係ビュー定義の全域性判定手法を与えた。 実証チームは、基盤チームとの連携を取り、双方向変換基盤システムが提供するインタフェースの設計に対するフィードバックを与えると共に、次の応用について研究を行った。1)ストリームデータを対象とするパーソナルデータ市場におけるプライバシ保護と価格設定の手法を提案。2)局所的差分プライバシを用いた位置情報プライバシ選好の推薦を支援するシステムを開発。3)ライドシェアリング等に適用可能な,道路ネットワーク上のロケーションプライバシを提案。4)DIASのメタデータを整理し、双方向変換技術を利用したメタデータ品質管理フレームワークに関してプロトタイプシステムの開発。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね計画通りに進んでいた。本年度はポスドクの雇用ができ、双方向変換システムBIRDSとデータ相互運用基盤の開発を順調に進める事ができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度は、研究目標に沿「深化」「基盤」「実証」の3チームで密に連携しながら研究を進める。 深化チームは、木や関係データ上の双方向変換プログラムの開発支援ツールを開発し、デバッグ、自動テスト生成、例に基づくプログラム合成等の可能性を探る。又漸進的更新伝搬におけるソース参照の削減による効率的な実現手法を開発し、大規模データ上の双方向変換プログラムを効率的に実行できるシステムを実現。更に入出力等effectを持つ双方向変換や多方向実行可能な変換を記述できる言語を検討。 基盤チームは、提案された分散データの相互運用の為のDejima architectureを発展させ、更新の多段伝搬により生じる不整合の検出機構の考案と実装,及び更新伝搬する範囲を対象とした分散トランザクションを実行する方式の設計と実装を行う。更にデータ統合に関する以下の要素技術を開発。1)双方向変換プログラムの静的解析による一貫性チェック機構。2)NoSQLコストモデル生成によるクエリの最適化機構。3)不整合データの管理手法の確立。4)問合せ書換え手法の計算量と問合せ通信量の理論的な見積もりと問合わせ書き換えアルゴリズムを提案。 実証チームは、パーソナルデータ市場に関し、現実的な応用シナリオとして移動軌跡データなどのストリームデータを対象とし、データ開示の選考が個人ごとに異なる場合の差分プライバシを用いた契約関数、データ販売価格、効用の関係を究明。またライドシェアリング応用に関し、1)前年度に考案したライドシェアリングアライアンスのプライバシ保護を発展・一般化した枠組みの考案、2)ライドシェアリングアライアンスのDejima上での実験用データ構築。更に科学データを対象としたデータクリーニングに関し、前年度に考案したビューに基づくデータクリーニング方式について、不整合の検出手法及びビュー条件式の推定手法を考案。
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