研究分担者 |
大河内 直彦 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門, 部門長 (00281832)
吉森 正和 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (20466874)
齋藤 冬樹 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(環境変動予測研究センター), 研究員 (60396942)
藤田 耕史 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (80303593)
Greve Ralf 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (90374644)
川村 賢二 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (90431478)
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研究実績の概要 |
(1)気候モデルの結果と酸素同位体比やメタンなどのアイスコアや古海洋データによる気候復元との比較やモデルの詳細な解析を進め、現実に起きた急激な気候変化イベント(ダンスガードオシュガーイベント)の要因についての論文を投稿し、出版した(Kuniyoshi et al, Geophysical Research Letters, 2022, 等)。(2)中でも氷期の中盤は気候変動の周期が短いことと氷床の存在の関係についてのMIS3に関する論文を投稿して出版した(Sherriff et al, 2021)(3)氷期サイクル形成理解 の上でポイントとなる, 離心率が小さく氷期から間氷期の振幅が大きい時代(40万年前)など多数の退氷期と間氷期の氷床モデル実験を解析する.氷床再現に対する海洋循環による熱輸送変化の影響を考慮するため, 大気海洋結合モデルによる実験の解析を進めまとめ、一部の論文執筆を行なった。(4)より現実な北半球氷床モデルについて検討し、急激な気候変動に関わる氷床と海洋の関係を分析して発表準備を行った。(5)過去150万年の氷期サイクル実験についてまとめ、4万年から10万年に周期が変化 した要因を総合的に分析してまとめ、一部はCO2の復元に関する過去140万年の古海洋データとモデリング共同研究として、Nature Geoscienceに出版した。(轟木、修士論文2022, Yamamoto et al, 2022, Nature Geosc.)(6)古い年代の高解像度の古海洋データ取得や解釈のための古環境モデリングの高度化や活用の方策も探るための数値実験を論文にまとめ投稿出版した。例えば白亜紀はHiguchi et al, 2021, GRL, 鮮新世はChan et al, 2021, CP, 前の間氷期 O’ishi et al, 2021 など)(8)第四紀およびそれより古い時代に関する実験をPMIP/CMIP傘下で行い、複数の国際比較の論文を投稿し出版した。
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今後の研究の推進方策 |
(1) 気候モデルの結果と酸素同位体比やメタンなどのアイスコアや古海洋データによる気候復元との比較やモデルの詳細な解析を進め、現実に起きた急激な気候変化イベント(ダンスガードオシュガーイベント)の要因についての論文を投稿する。(2)氷期の中盤は気候変動の周期が短いという問題に着目して、北大西洋深層循環の振動の 維持や遷移メカニズムとその周期を決めている要因を調べるための大気海洋結合モデル感度実験を進め結果を論文として投稿する。(3)氷期サイクル形成理解 の上でポイントとなる, 離心率が小さく氷期から間氷期の振幅が大きい時代(40万年前)など多数の退氷期と間氷期の氷床モデル実験を解析する.氷床再現に対する海洋循環による熱輸送変化の影響を考慮するため, 大気海洋結合モデルによる実験の解析を進めまとめる.(4)より現実な北半球氷床モデルについて検討し、急激な気候変動に関わる氷床と海洋の関係を分析して発表準備を行う。数値実験結果と古環境データとの整合性を総合的に調べつつ、氷床―海洋―大気相互作用を含む気候システムの特性をまとめる。(5)急激な気候や海洋変化が氷床変動に及ぼす影響を考慮に入れた上で、過去150万年の氷期サイクル実験について出版に向けてまとめる。4万年から10万年に周期が変化 した要因を総合的に分析してまとめる。(6)より古い年代の古海洋データ取得や解釈のための古環境モデリングの高度化や活用の方策も探るための数値実験を論文にまとめ投稿出版する。
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