研究課題/領域番号 |
17H06147
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
河村 篤男 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 名誉教授 (80186139)
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研究分担者 |
辻 隆男 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (00432873)
小原 秀嶺 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 非常勤教員 (50772787)
藤本 康孝 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (60313475)
下野 誠通 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (90513292)
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研究期間 (年度) |
2017-05-31 – 2022-03-31
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キーワード | パワーエレクトロニクス / 電力変換効率 / 電気機器 / 部分電力変換 / マイクログリッド |
研究実績の概要 |
2019年度の要約は、以下。変換効率99.9%級の単相インバータの試作3号機を製作し、測定精度0.04%の新測定法を提案し、変換効率99.71%を観測した。次に、高効率三相インバータ試作2号機を製作して、変換効率99.67%を実測した。さらに、HEECSインバータの逆潮流の解析を行い、シミュレーションでは1/4 周期以内で潮流反転を確認した。 研究計画Aでは、プリント基板の配線の厚さを変更して3号機を製作した。前年度で達成した99.6%級の効率測定の精度を高めるために、損失分解法(全損失を個別の要素毎に計測する)という新測定法を提案した。スイッチング損失は、実際の動作条件でDC-DC動作で求め、次にDC-ACに変換し、DC-ACでしか生じない損失を追加して、精度0.04%で損失を測定した。その結果、2.2kWの出力時に効率99.71%を実測した。(ジャーナル論文に投稿中) 研究計画Bに関しては、サブテーマ【B-3】に従い、変換効率99.9%級の3相インバータの試作2号機を製作した。ただし、回路トポロジーは、単相HEECSインバータを3台並べ、LCフィルを介しての電圧差で3相交流を実現した。効率を測定した結果、2.2kW出力時に効率99.57%が実測された。また、上記計画AとBに関しては、ノルウェーSINTEFのジュゼッペ博士と東大柏キャンパスにて議論して(2020年3月上旬)、今後の方針を検討した。 研究計画Cにおいては、サブテーマ【C-2】に従い、定常状態での逆潮流は実験で確認した。次に1/ 4周期以内での潮流反転が実現できることをシミュレーションで確認した。研究計画Dにおいては、サブテーマ【D-1】に従い、数kWで効率99.9%級のインバータを複数配置したマイクログリッド実証実験の設計を行い、清華大学の楊先生と2019年9月に中国で打ちあわせを行い、検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述の2019年度の研究実績に述べたように、研究計画に沿って研究が進行しているため。具体的には、研究計画A、B、C、Dの4つの計画を実施してきた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通りに順調に進行しているため、残り2年間も予定通りに、研究を遂行する。ただし、2020年度交付申請書に記入したように、追加実証実験項目として、現状の99.71%の電力変換効率よりももっと高い効率を、さらに、昨年度までに確立した手法よりもさらに精度を上げる手法を提案し、実証することに挑戦する。
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