研究課題/領域番号 |
17H06162
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研究種目 |
基盤研究(S)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
腫瘍生物学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
西川 博嘉 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10444431)
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研究分担者 |
土井 俊彦 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 科長 (20522907)
河野 隆志 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (80280783)
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研究期間 (年度) |
2017-05-31 – 2022-03-31
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キーワード | 発がん / がん免疫 / 腫瘍微小環境 |
研究成果の概要 |
本研究では、ドライバー遺伝子異常による発がんに人種差が認められる原因が、遺伝子異常が免疫応答に与える影響の差に起因するという仮説に基づき、種々のがん種で見られる遺伝子異常が抗腫瘍免疫応答にもたらす影響を検討した。がん細胞が持つ遺伝子異常が化学メディエーターの分泌や代謝環境に直接的に影響を与えることで、免疫抑制性の腫瘍微小環境を構築し、発がん、がんの進展を促進していることを見出した。つまり、免疫抑制細胞である制御性T細胞の腫瘍組織への浸潤、活性化を誘導する一方で、エフェクターT細胞の腫瘍組織への浸潤阻害をもたらしていることを解明した。
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自由記述の分野 |
総合生物、腫瘍学、腫瘍生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果により、がん細胞が持つ遺伝子変異が免疫応答に影響を与える、という発がんからがんの進展過程での新たな概念の提唱につながり、がん免疫ゲノム医学として新たな学術分野を創生した。また、遺伝子変異に対する分子標的治療が免疫調節作用をもつことの発見にもつながり、免疫賦活剤としての分子標的治療と免疫治療の融合によるがん免疫ゲノム治療開発に展開された。本研究成果は、現在AMED次世代がん医療加速化研究事業等にも展開され、今後さらに臨床応用が進むと考えられ、「がん撲滅」という社会的ニーズに大きく貢献した。
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