研究課題
[細胞質 DNA 応答分子 STING のオルガネラ膜脂質による制御] これまでに、ゴルジ体の脂質ラフト様膜環境の形成を阻害すると、STING経路の活性化が抑制される結果を得てきた。そこで本年度は、in vitroでゴルジ体膜上でのSTINGの活性化を評価する実験系を作製し、STINGの活性化にスフィンゴミエリンおよびコレステロールが必要であるかを検証した。その結果、スフィンゴミエリンおよびコレステロールを減少させた膜上では、TBK1がSTINGをリン酸化することができなくなることを見出した。また、STINGはゴルジ体でTBK1を活性化した後に、リサイクリングエンドソーム(RE)を通過して最終的にリソソームで分解される。本年度では、このリソソームによるSTINGの分解機構も解析し、REを通過した後のSTINGが膜ごとミクロオートファジーによって分解されることを見出した。[精子細胞Cullin3シグナルの非ミトコンドリア型カルジオリピンによる制御]これまでに精巣の精子細胞にはteteraplamitoylcardiolipin(TPCL)という他の細胞にはないカルジオリピン分子種が存在していること、TPCLは小胞体やMAMに存在しており、ミトコンドリアには存在しないこと、TPCLの合成に関わる酵素の欠損マウスでは精子細胞の分化が異常となることを明らかにしている。この精子細胞の分化異常はcullin3の活性化不全を起こすマウスと類似しており、実際、TPCLの合成に関わる酵素の欠損マウスの精巣ではcullin3の活性化不全がみられた。本年度はTPCLの合成に関わる酵素の欠損マウスにおいてcullin3シグナルを詳細に調べ、cullin3の活性化因子のMAM局在が欠損マウスで減少していることを明らかにした。さらにcullin3の活性化因子がTPCLと結合することを見出した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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