研究課題
AmCPを介したT. thermophilusのリジン生合成系において、唯一機能が分かっていなかったLysVが生合成酵素と相互作用をすること、そして各生合成酵素反応液にLysVを添加することで、酵素反応に影響が出ることが明らかになった。前年度の研究により、DADHの末端水酸基がVzb21によってスルホン化された後、αアミノ基がVzb12によってアセチル化され、その後Vzb10/11によりスルホン化された末端水酸基とδアミノ基の間でアジリジン環構造が形成され、その後に保護基のアセチル基が除去されることを推定したが、本年度はそれらの化合物構造をNMRで決定することで、アジリジン環生合成経路を確定した。さらに、その生合成中でVzb10/11がアザビシクロ環含有化合物の生物活性に最も重要であるアジリジン環の形成反応を行うことを明らかにした。反応機構の詳細の解明を目指し、Vzb10/11のホモログで同様なアジリジン環を有するアジノマイシンB生合成に関わるAziU3/U2について、結晶構造の決定に成功した。また、基質との複合体結晶の良好なX線回折データを得ており、構造を基にしたアミノ酸置換の活性の影響などを調べることで、詳細を近いうちに明らかにできる基盤が整った。AmCPがマレイマイシンという抗生物質の生合成に関わることが明らかになり、前年度にAHXOと名付けた新規アミノ酸を経て生合成されることが示唆された。本年度はNMRを用いた平面構造の決定に成功し、責任酵素Mmy7の基質結合型結晶のX線回折データを得ている。Serratia属細菌、放線菌に見出されたAmCP遺伝子クラスターについて解析を進め、Serratia属クラスターに存在する新規なヘテロサブユニット型アミノ基転移酵素の構造決定に成功すると共に、放線菌クラスターによって生合成される最終産物と思われる化合物の検出に成功した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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