研究課題
研究代表者らが発見した直鎖状ユビキチン鎖は現在では刺激依存的なNF-kappaB活性化、プログラム細胞死抑制に寄与する刺激伝達系として世界的に認知されている。さらに、直鎖状ユビキチン鎖を選択的に生成するLUBACユビキチンリガーゼ(HOIL-1L、HOIP、SHARPINから構成される)の機能亢進、低下がガン、事故炎暑末井疾患と免疫不全の合併疾患の発症に関与することも報告され、臨床的にも注目を集めている。研究代表者は発見、命名者であることを意識し、かつ、サブユニットのコンディショナるKO、Tgマウスを作出しているメリットを生かし、本研究提案ではその普遍化と疾患研究への展開の基礎を築くことを目指す。具体的には、機能解析を中核に置きつつ、LUBACリガーゼの構造、活性調節の解析に加え、創薬研究も展開し、直鎖状ユビキチン鎖の統括的理解とLUBACの新機能の解析を進めている。本年度は以下の成果を上げた。1.遺伝子改変マウスを用いて、LUBAC活性の欠損でTLR4刺激依存的な細胞死が亢進すること、ネクロトーシスを抑制することでB細胞亜群の1つであるB1-bの生成に寄与していることを示した(J. Immunol. In press)2.3サブユニットが存在することで、LUBACは安定な複合体を形成するので、構造生物学的手法を用いてそのメカニズムを解明した(Cell Reports In press)。3.LUBACの機能亢進はB細胞リンパ腫の発症などに関与するので、LUBACは優れた抗がん剤のターゲットである。2.の成果に基づいて、LUBAC阻害剤開発のスクリーニング系の構築に成功し、次年度からスクリーニングに着手する。
2: おおむね順調に進展している
当初の研究計画はおおよそ順調に推移しており、LUBACの活性調節機構、制御性T細胞、B細胞リンパ腫への寄与など成果は今年度中に投稿できる予定である。
ほぼ順調に推移しているので、一層の研究の進捗を図る。
すべて 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
Stem Cell Reports
巻: 10 ページ: 356-365
doi: 10.1016/j.stemcr.2017.12.001.
J. Clin. Invest.
巻: 128 ページ: 517-530
doi: 10.1172/JCI95410.
Proc. Natl. Acad. Sci. USA.
巻: 114 ページ: 10178-10186
doi: 10.1073/pnas.1713563114.
巻: 114 ページ: 8574-8579
doi: 10.1073/pnas.1702615114.
http://mcp.med.kyoto-u.ac.jp