中枢神経系を生体システムにおける1臓器として捉え、生体システム全体が神経回路の障害と修復にどのように関わるかという観点からの研究は未だ発展途上にある。研究代表者が得た最近の知見は一流科学誌に掲載され、リーダーシップを発揮して本分野を牽引している。神経回路の障害とそれに続く修復の過程における生体の反応を「スクラップ・アンド・ビルド」の戦略と捉え、一連の反応の機構と意義を明らかにする研究を創成しており、生命科学において新たな潮流を作り出すものと期待される。本研究の成果は新たな治療法の創出につながり、難治神経疾患の克服に向けた戦略の雛形になることが期待できる。
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