研究課題/領域番号 |
17H06229
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
石田 謙司 神戸大学, 工学研究科, 教授 (20303860)
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研究分担者 |
北村 雅季 神戸大学, 工学研究科, 教授 (10345142)
高嶋 一登 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 准教授 (30435656)
小柴 康子 神戸大学, 工学研究科, 助手 (70243326)
福島 達也 神戸大学, 工学研究科, 講師 (70705392)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 生体内発電 / 圧電薄膜 / 心臓 / 有機強誘電体 |
研究実績の概要 |
成人男性3D-X線CT画像から再現した拍動型心臓モデルを用いて、生体内発電の第1候補臓器である心臓における圧電型発電の検証実験を行った。PEN上に有機強誘電体P(VDF/TrFE)を成膜してフレキシブル有機圧電素子を試作した。構造最適化したフレキシブル有機圧電素子を心臓モデルに貼り付け、心臓拍動のセンシング、圧電型発電能力を検証した。 有機圧電素子を心臓モデル(右心室表・裏、左心室表・裏)に固定し、拍動同時測定を行った結果、心臓モデルの拍動時系列に応じた出力電圧の時間変化を観測できた。心臓モデルの拍動速度を60 bpm(安静時)と162 bpm(ランニング時)に設定した所、拍動速度に依存した出力電圧波形を得た。右心室と左心室の間のわずかな拍動時間差も計測でき、不整脈などの心臓動作異常を検知できる可能性を示した。次に、実効電圧を測定することで出力電力の算出を行った。心臓拍動では膨張時と収縮時で出力電圧が異なるため、拍動1回に要する時間で積分することで出力エネルギー(J)を算出した。出力エネルギーは素子面積に比例して増加し、心臓発電の出力エネルギーとして1.52 μJ@169 mm2を得た。この値はZigbee無線センサ―において、約5時間に一回データを送信するのに必要なエネルギーに相当する。また血管内の力学特性計測をめざして、小型カテーテル型接触センサの試作も行い、模擬血管内の荒さ、堅さ計測検証を行った。これら有機圧電素子からの出力信号を検知する有機トランジスタに関する研究を進めた。電極表面の処理技術や短チャネルトランジスタの閾値電圧制御に取り組み,高移動度かつ閾値電圧の制御された有機トランジスタを実現した。 これらの実験結果から、生体内発電に向けたフレキシブル有機圧電フィルム創成と心臓拍動のセンシング・発電動作の基礎検証に成功した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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