これまでに、コシヒカリを8フローセル分解析をし、イネゲノムにして、depthが10程度で、平均長が約8kbpの長さのゲノム配列を得た。last-splitでマッピングし、depthが、8~25程度のDepthを採用し、その中で、変異が存在を支持するratioが大きいものだけを採用しても、日本晴とコシヒカリの差が12万程度の多型になり、かつ、同時に得たイルミナと比較し、イルミナが正しい配列を提供しているとするとMinIONで支持される配列の1/3程度しか信頼できないという大きな問題が分かった。これは、マッピングのソフトの改良も有意義ながら、それ以上に、BaseCallingの精度環ゲル必要があると考えられる。 一方で、last-splitで、複数個所にヒットする配列を、フィルタリングを工夫することで、より信頼度の構造変異の配列候補を得ることができている。数~十数キロの挿入・欠失を見出すのに適しており、挿入や欠失のような比較的大きなゲノム構造の変化を見つけるには、十分なデータであることを確認した。これまでに、約数十か所の5~15kbpの挿入・欠失か所の候補を見出している。コシヒカリ以外の品種も一部解析を進めたが、まだ、十分なDepthを得ていない。シングルリードの精度が9割を切っていて、かつ、depthが10でも配列に多くのミスがあるのは想定外であり、新技術とは言え、新しいバージョンのフローセルが発売されるまで、大きな改善は期待できないと考えられる。また、VCコールの精度を上げる可能性があるので、minimap2や、最近の論文等で評価が高い、VCコールソフトの利用を現在検討中である。
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