研究課題/領域番号 |
17H06260
|
研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
多様性生物学、人類学およびその関連分野
|
研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
大島 一正 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (50466455)
|
研究分担者 |
佐藤 雅彦 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (20283575)
大坪 憲弘 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (30270474)
武田 征士 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (90508053)
|
研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
|
キーワード | ホソガ科 / アブラムシ科 / 潜葉性昆虫 / Ab-GALFA法 / 植物延命効果 / 虫体抽出液 / オオヨモギ / MADS |
研究成果の概要 |
植物を餌とする昆虫類の中には,単に植物を食べるだけでなく,自身の住処となり,かつ自らが欲しい栄養成分をふんだんに含んだ「虫こぶ insect gall」と呼ばれる構造を作らせる種が知られている.このような巧みな植物操作がどのように行われ,そしてどのような昆虫の遺伝子が関与しているのかに関しては,興味は持たれていたが,そもそも実験的に飼育できる虫こぶ誘導昆虫自体がほぼ無かったため,大部分は未解明のままであった.そこで本研究では,実験室内で飼育可能な実験系の立ち上げと,モデル植物を用いた虫こぶ誘導能の実験手法を確立することで,虫こぶ形成の謎を解明する突破口を開いた.
|
自由記述の分野 |
昆虫学,進化生物学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
虫こぶの誘導とは,一種の「他種操作」の例と言える.そして,なぜ動物が植物を操作できるように進化できたのか,という点が本研究の究極的な問いと言える.よって,本研究で行った虫こぶ誘導時における昆虫側の詳細な行動観察や,昆虫と植物の両方で虫こぶ誘導に関与している可能性がある遺伝子の絞り込みは,他種操作という一見するととても起こりそうに無い精巧な種間の相互作用がどのように地球上で形成されてきたのか,という生物学の根源的な問いを解明していく上での大きな一歩と言える.また,昆虫による植物操作の仕組みを解明することで,将来的には虫こぶ誘導昆虫のように植物をカスタマイズする技術の開発につながると期待される.
|