研究課題/領域番号 |
17H06263
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
松下 正之 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30273965)
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研究分担者 |
片桐 千秋 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00443664)
高松 岳矢 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90801431)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | ペプチド / 細胞膜 / 腫瘍 / 血液脳関門 / 胎盤 |
研究実績の概要 |
(Ⅰ)ファージランダムペプチドライブラリーの構築とライブラリーの調整:pUC19をベースファージミドベクターとして、Lacプロモーター下流にpET22b(+)ベクター由来 のPelBシグナル配列、pBlueScript SKⅡ由来のf1 origin、マルチクローニングサイトを付加した、ファージディスプレイ用のファージミドベクターを構築し、ルシフエラーゼ遺伝子(NanoLuc)、パクテリオファージM13K07株由来のgⅢp遺伝子を挿入しランダムペプチド-NanoLuc-gⅢp融合タンパク質を発現する新規ライブラリー用ファージミドベクターを構築した。
(Ⅱ)胎盤通過ペプチドのスクリーニング:妊娠マウス尾静脈にファージライブラリーを投与し、胎盤通過性ペプチド提示ファージを同定を試みた。胎盤通過性ペプチド探索実験には、妊娠ICR マウスを使用する。ファージライブラリーは g3p融合ペプチドファージライブラリーを使用した。ファージディスプレイ法によるパニング実験により、マウス尾静脈にファージライブラリーを投与し、4時間後、8時間後に胎児を摘出し、摘出胎児の肝臓などの臓器からパニングを行った。現在、条件検討が困難であり、パニングによるファージの濃縮ができていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1)妊娠マウス尾静脈にファージライブラリーを投与し、胎盤通過性ペプチド提示ファージを同定を試みたが、ファージの濃縮ができなかった。ファージ回収の時間の検討や、ファージの濃度調整を行なったが改善は見られていない。
2)血液脳関門(BBB)通過ペプチドのファージディスプレイライブラリーを用いた探索も進めているが、BBBに関しては脳血管のコンタミネーションがあり、その除去方法を検討する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
1)胎盤通過ペプチドの探索は、ライブラリーを一本鎖抗体に変えて行う予定である
2)BBBを通過するペプチドを従来のように脳を摘出するIn vivo panningで同定しようとすると、脳組織への残留血液や血管内皮への付着によるコンタミネーションにより、再現性のある結果が得られない。これらのコンタミネーションを回避する手段として、マウス脳室内にカテーテルを慢性的に留置することにより経時的に髄液を回収できるシステムを構築し、尾静脈へのファージの投与からBBBを通過し髄液へ移行したファージのみを回収し、パニングするシステムにより同定する方法を試みる。
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