研究課題
胎児期は様々な幹細胞の多様かつ正確な分化の繰り返しである。発生期間中、全ての器官は、遺伝子の厳密なコントロールにより、特定の定められた場所に正確に形成される。この普遍的とも言える現象がいかなる発生分子制御メカニズムによりコントロールされているのか様々な角度から研究されている。それらの研究の中で、遺伝子の改変により、ある器官が他の器官に転換することが報告されている。このことは、器官発生において、器官間に共通の分子機構が存在する事を示唆している。それらを制御するキーとなる遺伝子が発見できれば、分岐ポイントを意図的に改変させ、別の器官を形成することが可能であると考えられる。近年、成体内、つまり成熟組織に様々な幹細胞が発見されている。マウスの前歯は常生歯であるため、成体でも、その形成端に幹細胞を有している。頭部の他の部位にも多くの幹細胞の存在が報告されている。本研究は、成体の頭部における幹細胞を歯に誘導することを目指す。前年度に検索した口蓋皺壁における間葉幹細胞を、歯に誘導することを目的に、歯の上皮組織と再結合させた結果、寛容組織は上皮の陥入を誘導した。更に正常な口蓋皺壁には歯の間葉のマーカーであるMsx1は発現しないが、歯の上皮と結合した口蓋皺壁の間葉には、陥入上皮周囲のMsx1の発現が確認された。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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