真核生物のmRNAには5’非翻訳領域 (5’UTR) に小さなORF (上流ORF; uORF) が存在する場合があり,uORFの翻訳は下流に存在する主要ORFの翻訳を阻害する。本研究ではシロイヌナズナのbZIP11 uORF2で起こるショ糖による翻訳の停滞機構を解明した。uORF新生ペプチドがリボソーム出口トンネル内で機能することや,ショ糖によるuORF2での翻訳停滞がmRNAの切断を引き起こすことを明らかにした。また,uORF2のショ糖応答性には動植物で保存されたリボソームの機能が関与していることが示された。ただし,植物特有の因子の関与については今後の研究で検討する必要がある。
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