研究課題/領域番号 |
17H06492
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中塚 愛 北海道大学, 大学病院, 助教 (00547648)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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キーワード | 4-META/MMA-TBBレジン / αTCP / BMP-2 / インプラント周囲炎 |
研究実績の概要 |
4-META/MMA-TBBレジンはαTCPと複合化することにより硬化したレジン表面に硬組織の形成を誘導し、新生硬組織が直接レジンと結合する可能性が見出された。さらに、BMP-2を含浸させたスキャホールドを併用すると、より広範囲にレジン表面に硬組織を誘導できることが明らかとなった。これらを応用し、新たなインプラント周囲炎の治療法を開発することが目的である。 これまでにビーグル犬の上下左右P1からP4を抜歯し、X線撮影により抜歯部位の骨の治癒を確認した。 今後、頬側に裂開状の骨欠損を作製し、同部にインプラントを埋入、骨欠損部に複合化レジンを充填、BMP-2を用いて、表面に骨形成が認められるか検討していく。 明らかにする項目は、①インプラント体と骨にレジンが接着し、レジン表面を被覆する新生骨が形成され、骨形態の回復が可能であるか。②ポケット上皮や結合組織がインプラント体表面およびレジン表面に侵入することを防げるか。③感染したインプラント体にも接着し、インプラント周囲炎による骨欠損でも本治療法が可能か の3点である。 観察期間は4週とし、評価方法は以下の通りである。①臨床所見:歯肉辺縁の位置、発赤、腫脹、Probing depth、動揺度を計測し、BOPの有無を診査する。②X線所見:骨レベルを測定③μCT撮影④病理組織学的評価:非脱灰研磨標本を作製して、HE染色、トルイジンブルー染色を行い、レジンとインプラント、骨との接着状態、レジン表面の骨形成状態、上皮のdown growthの状態を観察し、レジン上面の骨とレジンの直接接触面積を組織計測する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新規で動物実験計画を申請する必要があり、その承認と、動物実験施設利用の承認がおりるのに時間がかかったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後計画通りに、骨欠損を作製したところにインプラントを埋入、骨欠損部にレジンを充填し、BPM-2で被覆して、観察期間終了後レジン上面に新生骨の形成がみられるかを検討する。この方法でレジン表面に新生骨の形成が認められた場合、インプラント表面が細菌で汚染している場合でも同様の結果が得られるのかを調べていく。
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