研究実績の概要 |
H30年度 マイクロミニブタ2頭を購入し、高脂肪食5か月、途中一度、全身麻酔下で肝生検査を行い、軽度脂肪化を認めた。1頭にALP456㎎/dl、総コレステロール281㎎/dlの異常高値をも認めた。5か月目で、全身麻酔下で肝臓を摘出し、別途、評価ツールとして確立したex vivo臓器灌流装置により、自己血液を用いて、虚血再灌流障害の程度を検討した。1頭ずつではあるが、1頭を単純冷却保存、1頭を低温機械灌流保存にてその保存方法の違いを観察した。低温機械灌流保存装置も当施設で開発したもので、他の研究、例えば心停止ドナーからの肝臓の保存に使用し研究報告などしている実績のある装置である。まず低温機械灌流保存した脂肪肝は灌流液中、肝機能においてAST1480IU/L,LDH880IU/Lと正常肝よりも高値で障害肝のあることが判明した。また単純冷却保存と低温機械灌流保存との比較においては再灌流1時間まではAST,LDH,ALPともに優位に機関灌流保存は低値であった。すなわち、脂肪肝の保存方法においては機械灌流保存の有用性が示唆された。ここまでは予想される良い結果であり、本来は実験N数を増やすべきであったが、マイクロミニブタの購入費に加え特別注文の高脂肪食も高価であり、新たに研究費を獲得する事で終了した。
|