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2017 年度 実績報告書

NSAIDsによるAβ,αSオリゴマー形成抑制作用,および伝播抑制作用の検討

研究課題

研究課題/領域番号 17H06498
研究機関弘前大学

研究代表者

廣畑 美枝  弘前大学, 医学研究科, 助教 (50806552)

研究期間 (年度) 2017-08-25 – 2019-03-31
キーワードケミカルバイオロジー / 蛋白凝集 / アミロイドβ / αシヌクレイン / オリゴマー / 分子間相互作用 / アルツハイマー病 / パーキンソン病
研究実績の概要

【目的】
本研究では in vitro実験系において,(1) NSAIDsが PICUPを用いたαSオリゴマー形成過程,およびαSオリゴマーを核としたαS線維伸長(伝播)過程に直接的な阻害作用を及ぼすかを検討する.そして(2) NSAIDsとαS分子種(モノマー,オリゴマー,線維)との分子間相互作用を解析し,その作用機序を明らかにすることを目的とする.
【方法】
10種類以上のNSAIDsについて検討した.αSオリゴマーはPICUPにて形成させ SDS-PAGEにて解析した.線維伸長(伝播)過程は,PICUPオリゴマーをNSAIDsで前処理後に生体条件下 試験管内αS凝集モデルに添加して線維形成させ,チオフラビンS分光蛍光定量,電子顕微鏡または原子間力顕微鏡観察にて解析した.NSAIDsとαSモノマー・オリゴマー・線維の分子間相互作用は三次元蛍光スペクトラムで解析した.
【結果】
解析したNSAIDsの一部は,濃度依存性にαSオリゴマー形成阻害作用を示した.阻害作用を示したNSAIDsでは,既形成オリゴマーを核としたαS線維伸長の阻害がみとめられた.形態学的観察では,αS凝集体形成の抑制が確認された.さらに三次元蛍光スペクトラム解析では,一部のNSAIDsとαSモノマー・αSオリゴマー・αS線維間で強い分子間相互作用を見出した.特にNSAIDsとαSオリゴマーとの間で著しい相互作用がみとめられた.本年度は,in vitro実験系において,NSAIDsがαS分子種との直接的な分子間相互作用によって,αS凝集阻害作用を及ぼすことを明らかにした.NSAIDsはパーキンソン病の予防薬および病態修飾薬の有力な候補分子となる可能性がある.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は,全研究計画のうち主にNSAIDsによるαシヌクレイン(αS)オリゴマー形成抑制作用および伝播抑制作用についてのデータを収集した.当初の予定どおりのデータ数を入手して解析をすすめることができているため.

今後の研究の推進方策

次年度は,初年度に収集したαシヌクレイン(αS)についてのデータに加えて,NSAIDsによるβアミロイド(Aβ)オリゴマー形成抑制作用および伝播抑制作用についてのデータを収集し解析を実施していく.また,当該課題の平成30年度配分額で購入予定の蛋白を用いて,追試験を計画している.さらに,これらの解析結果は国際誌Biochim Biophys Acta.への原著論文投稿を予定している.

備考

(1) 廣畑美枝.光誘導αSオリゴマー架橋モデルを用いて NSAIDsによる抗パーキンソン病効果を解明する.平成29年度弘前大学若手・新任研究者支援事業成果報告会.平成30年3月1日,弘前大学.

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公開日: 2021-01-27  

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