解析したNSAIDsの一部は,濃度依存性にAβオリゴマーおよびαSオリゴマー形成阻害作用を示し,既形成オリゴマーを核としたAβ線維とαS線維の伸長を阻害した.三次元蛍光スペクトラム解析では,一部のNSAIDsとαSモノマー・αSオリゴマー・αS線維間での強い分子間相互作用を新規に発見した.特にNSAIDsとαSオリゴマーとの間で著しい相互作用がみとめられた.この結果は,NSAIDsとAβモノマー・Aβオリゴマー・Aβ線維間での分子間相互作用と類似するものであった.NSAIDsは,パーキンソン病およびアルツハイマー病の発症予防薬および病態修飾薬の有力な候補分子となる可能性があると考えられた.
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