研究課題
研究活動スタート支援
根粒菌とマメ科植物の共生窒素固定は、宿主植物と根粒菌との複雑な相互作用によって成り立っている。この過程でマメ科植物のEPR3 受容体は、根粒菌の細胞外分泌多糖や部分長の細胞外分泌多糖を受容・認識して共生過程を正と負の双方に制御している。本研究では、マメ科植物のEPR3 受容体が根粒菌の細胞外分泌多糖と同様に、病原菌の細胞外分泌多糖も認識し、免疫過程をも制御するのかを調査した。その結果、EPR3受容体は、根粒菌の細胞外分泌多糖のみを認識し、病原菌の細胞外分泌多糖は認識しないことが示唆された。
植物-微生物相互作用
マメ科植物のEPR3受容体は、根粒菌が分泌する細胞外多糖を認識し、根粒共生相互作用を制御していることが知られていたが、本研究からこのEPR3受容体は、病原菌が分泌する細胞外分泌多糖は認識しないことが示唆された。これらのことから、EPR3受容体は、共生相互作用のみに機能することが予想された。今後は根粒共生相互作用時におけるEPR3受容体の詳細な機能解明を行う必要があると考えられる。