血漿タンパク質の非変性条件下における摩擦試験を行うため,ダブルネットワーク(DN)ゲルを摩擦試験片対の片方に用いて摩擦試験を行った.非変性状態に支配されるアルブミン膜がSiCディスク上に形成され,さらにアルブミン中の摩擦係数は水中と比較して低下する.またフィブリノーゲン中における摩擦係数はアルブミン中と比較して低下し,さらにフィブリノーゲンの吸着量は摩擦により増加する.またアルブミンとフィブリノーゲンの混合溶液中の摩擦係数はアルブミン溶液中と比較して低下した.これより血漿タンパク質同士の相互作用が低摩擦発現の鍵を握ることが示された.
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