以下の特徴を持つ本研究は、錯体水素化物の特性改善だけでなく、新しい材料設計指針と新しい研究領域の開拓、という観点でも極めて将来性に溢れた研究として位置付けられる。 これまで錯体水素化物において全く報告例のない“錯イオンの分子レベルでの共存化”による新規材料物性の創出という、固体電解質材料の新たな指導原理を提案している。また、固体電解質研究の主流となっている酸化物や硫化物とは異なる物性を実現し、高い潜在性を持ちながらも蓄電池材料としての認識が限定的であった錯体水素化物の学術的・社会的価値を格段に高めるとともに、固体電解質としての材料科学・材料学問において新たな研究領域を切り拓くものと期待される。
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