研究課題/領域番号 |
17H06525
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 遥 東北大学, 医学系研究科, 助教 (90803883)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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キーワード | 肺高血圧症 |
研究実績の概要 |
肺高血圧症は予後不良の難治性疾患として知られ、頻脈性不整脈を呈し右心不全が進行し予後が低下する。肺高血圧症の右室心筋は異常な心筋収縮を呈し、頻脈性不整脈や突然死をきたしうる。一方、カルシウム・ユニポーターを介したミトコンドリアへのカルシウム流入の抑制は、不整脈の発生を抑制することが報告されている。本研究の目的は、実臨床における肺高血圧症患者の右室形態の変化が不整脈の発生にどのように関与するのかを解明すること、同時に、肺高血圧動物モデルにおけるミトコンドリアへのカルシウム流入が、右室肥大を呈した傷害心筋における不整脈の発生に関与するのかを解明することである。 当院は2000年から2015年までにおよそ70名の特発性肺高血圧症患者を診断・加療しており、12誘導心電図を施行した全症例およびホルター心電図を施行した10名の解析を行った。さらに、当院では50回にわたり心臓MRIを撮影し、肺高血圧患者の右室形態の変化を観察している。観察してきた心臓MRIシネ画像の結果を用いて、右心機能の経時的変化を評価した。結果について第2回日本肺高血圧・肺循環学会において発表を行った。 同時に、モノクロタリン投与で作成した肺高血圧モデルラットを用いて右室形態の変化と心筋収縮能および不整脈の発生を調べている。さらにRu360を用いて右室形態変化とミトコンドリアへのカルシウム流入の役割について検討を続けている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当院で加療してきた70名の特発性肺高血圧症患者のうち、12誘導心電図を施行した全症例およびホルター心電図を施行した10名の解析を行った。長期経過を観察できている心臓MRIを用いて、右心機能の経時的変化を評価した。結果について第2回日本肺高血圧・肺循環学会において発表を行った。 同時に、モノクロタリン投与で作成した肺高血圧モデルラットを用いて右室形態の変化と心筋収縮能および不整脈の発生を調べている。さらにRu360を用いて右室形態変化とミトコンドリアへのカルシウム流入の役割について検討を続けている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、肺高血圧モデルラットの右室形態の変化と心筋収縮能および不整脈の発生を調べ、さらにRu360を用いて右室形態変化とミトコンドリアへのカルシウム流入の役割について検討を重ねていく。
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