研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、原因未解明の筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis, ALS)家系に新たに見出した遺伝子変異の病原性を検証し、検証された病原性がもたらす運動ニューロンの変性機構を解明することを目的とする。継続して集積した日本人家族性ALS家系(全134家系)において、次世代シークエンサーを用いて遺伝子解析を行い、集積した全家系のおよそ半数に既知変異を同定した。原因遺伝子未解明の家系において、新たな候補遺伝子変異を複数見出しており、その病原性を検証している。
神経変性
1991年より有数規模の日本人・家族性ALSサンプルを収集し、続々と追加試料を得て研究対象を集積している。また、次世代シークエンサーとバイオインフォマティクス技術を駆使して、多検体を効率的に解析する体制を確立している。本研究は、単なる遺伝子解析にとどまらず、創薬に活用できるALS細胞モデル作出にもつながり、新しい変性機構の解明によって、広く神経変性疾患の病態解明と治療法開発に波及効果をもち得る。