研究課題
研究活動スタート支援
貧血は世界で最も罹患率の高い疾患の一つである。特に血液疾患に伴う貧血は唯一の造血製剤であるエリスロポエチンに抵抗性で、新規貧血治療法の開発が望まれている。本研究では、遺伝子の発現制御に重要なエピゲノム修飾において重要な基質の合成阻害が赤血球の造血に重要であるという独自の知見に基づき、本基質の赤血球造血における機能の解明を行なった。その結果、本基質の合成阻害がエリスロポエチン非依存的な赤血球造血の促進を可能とする新たな貧血治療法になりうると考えられた。
造血
本研究では、エピゲノム修飾の基質が赤血球の造血に与える影響を様々な網羅的解析により明らかにすることに成功した。これにより、エピゲノム修飾が赤血球の造血時に果たす重要性の一端を解明することができた。即ち、赤血球はその成熟過程で大量のヘモグロビン合成や脱核などの劇的な変化を行うが、そこにエピゲノム修飾がどのような役割を果たしているか明らかにした。これは、複雑な赤血球成熟機構を理解する上で重要な進歩であると考えられ、本研究成果は新規の貧血治療薬の開発につながることが期待される。