研究課題
岩手県花巻市大迫地区に居住する地域住民を対象に,口腔状態および口腔機能とフレイルとの関連を検討した.2017年度に引き続き2018年度においても,検診に参加し,検診参加者の口腔保健指標を採取した.加えて2018年度は検診より採取したデータを用いて解析を行った.具体的には,曝露因子は口腔保健指標のうち咀嚼能力に着目し,現在歯数,デンタルプレスケールを用いた最大咬合力およびグミ咀嚼検査による咀嚼能率とした.アウトカムはフレイルを構成する身体的フレイルおよび精神的フレイルに着目した.身体的フレイルを構成する栄養状態の指標としてBody Mass Index(BMI)を用い,精神的フレイルはそれを構成する認知機能低下の指標であるMini Mental State Examination(MMSE)を用いた.以上の指標を用いて咀嚼能力とフレイルとの関連を横断的に検討した.それぞれの指標について,現在歯数は20,最大咬合力については200N,グミ咀嚼については100mg/dL,BMIについては日本人の食事摂取基準に則り69歳未満は20.0,70歳以上は21.5,MMSEについては25をカットオフ値としてカテゴリ化処理を施した上で解析を実施した.解析の結果,現在歯数20歯未満とBMI低下との有意な関連を認めた(p<0.05).最大咬合力および咀嚼能率の低下についても有意とはならなかったがBMI低下と関連する傾向を認めた.認知機能低下についても,現在歯数20歯未満と認知機能低下との有意な関連を認めた(p<0.05).本研究より,口腔保健指標のうち咀嚼能力は身体的フレイルおよび精神的フレイルと関連することが示唆され,フレイル対策における口腔機能の維持・改善の必要性が示された.
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)
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